第29回 和音(コード)について考えよう⑧

第29回 和音(コード)について考えよう⑧

今回も、前回に引き続き
 構成音を変化させてコードの響きをカスタマイズする
がテーマ。

今回も前回と同じ進行を使って雰囲気を変えてみます。

※分かりやすくするため、楽譜と音源は完全に一致させていません

今回は、切なく優しい雰囲気を目指します!!

まずは、②、⑥のⅤをマイナーコードに変えます。
普通、マイナーコードにするのであれば、Ⅲmにする方が自然です。

しかしここはあえてⅤmを使います。
Ⅴmにすることで、Cメジャースケールの導音「シ」が「シ♭」に変わるため、
導音特有の「強い進行感・不安定感」を薄れさせる効果があります。
それが独特のふんわりした雰囲気を醸し出してくれるのです!

⑧のⅤは、終止の一つ手前なので、とりあえずこのままにしておきます。

さて、次。
明るさの中で切なさを出すのであれば、やはり「和声長音階」でしょう!
第5回で「長音階に短音階の色を足す」という風に説明した音階です。
第Ⅵ音、第Ⅶ音をそれぞれ半音下げて出来上がる音階でした。
Cメジャーであれば「ド レ ミ ファ ソ ラ♭ シ♭ ド」です。

今回は、Ⅳをマイナーコードに変えたⅣmを使ってみます。
Ⅳの構成音における第三音は、音階で言うところの第Ⅵ音。
つまりその音を半音下げることで、「和声長音階」の色を加えてあげます。

かなり切なくなってまいりました。
ただ、ちょっとⅣmがくどいような感じがするので、
一旦Ⅳを経由してからⅣmになるように、ちょっと小細工をします。

音の運びのことも考慮し、Ⅳm6を取り入れてみました。

さて、⑤以降に手を加えましょう!
①と同じだとつまんないので、とりあえず⑤はⅠではなく、Ⅵm7に変えます。

⑤→⑥が、Ⅵm7→Ⅴmだと、マイナーコード続きでちょっと暗すぎる感じがあります。
そこで、ちょっと小技を。

普通、コードの構成音を増やす場合は、どんどん高い音を足していきます。
「ソ → シ♭ → レ → ファ → ラ」という感じに。
今回は、逆に低い音を足してみましょう。
⑥のⅤmの構成音は「ソ シ♭ レ」です。
「レ → シ♭ → ソ → ミ → ド」と足していくと、
これはドを根音とするナインスコード「C9」になります。
今回はこれを採用することにしましょう!
前回も話したとおり、5和音はちょっと鳴らしすぎでうるさいので、第五音「ソ」をカット。

さて、⑦のⅣはこのままでも全く問題ないですが、
ちょっとふわふわ感を出したいので、ナインスの音を足してあげます。
メジャーコードにナインスのみを足した和音のことを、「アドナインス」と呼び、「〇add9」のように表記します。

最後の仕上げ。⑧のⅤもこのままでいいんですが、
もっとやんわりとした終わり方にしたいです。
ここでは、ナインスコードを使います。
先ほどの「アドナインス」とは違いますので注意!

基本的なナインスコードを考えると、ⅤはGですから、
G9は、「ソ シ レ ファ ラ」
となります。
ここで、③の進行の時に使った、「和声長音階」を意識し、ラをラ♭に変えてみましょう。
すると、
G7(♭9)「ソ シ レ ファ ラ♭」
となります。
さらに、あんまり強い進行感を出したくないので、今回は「導音」である「シ」をカットします。
5和音の際に省略するのは必ずしも第五音だけではありません。
その時々の表現したい雰囲気によってカットする音を変えてあげるとCOOLです!

これで、コード進行のカスタマイズは完了!
今回もそれっぽくしてみました。

合唱曲テイスト。
優しい中にも切なさを感じていただけましたか??

次回は、コード進行の小技をまとめていきます!