第28回 和音(コード)について考えよう⑦

第28回 和音(コード)について考えよう⑦

今回は、
 構成音を変化させてコードの響きをカスタマイズする
をテーマに話していきます。

ただ、このテーマ、カスタマイズ仕方を説明しようにも
「可能性が無限大」にありますので、すべてを説明しつくすのは困難です。

そこで、構成音の変化がどのような効果をもたらすか、
具体例として、基本のコード進行を変化させる過程を詳しく説明していきます!

今回カスタマイズするのはこちらの進行。
調はわかりやすくするためCメジャー。

※分かりやすくするため、楽譜と音源は完全に一致させていません

このままでも良いですが、今回はもう少しシックな感じ、大人な感じを目指してみようと思います。

……では、いじってみます。

目指すイメージから考えると、このままでは明るすぎる感じがありますね。
まずは、トニックであるⅠを暗い響きにするため、マイナーコードであるⅥに変えます。
さらにおしゃれさを加えるため、マイナーセブンスにしてみましょう!
(その際、表記としては「Ⅵm7」と表記します。)
④をⅥm7に変えてしまうとちょっとくどい感じがあるため、ここはⅠのままにしておきます。

では聞いてみましょう。

おしゃれ成分をもうちょっと足したいので、
③、④、⑦あたりをメジャーコードから、メジャーセブンスコードに変えてみます。
表記は「ⅠM7」「ⅣM7」のような感じ。

これでもなかなかにおしゃれになりましたが、
②、⑥、⑧のⅤがどうもストレートな響きに聞こえます。
(ドミナントだから不安定感が強いため存在感があるんですね)
いろいろな工夫が考えられますが、やはりシックでアダルトな感じを出したいので、
ちょっと暗めのトーンを加えたいところ。

まずは、②、⑥についてですが、
単に暗くするのであれば、ⅤをⅢに変えるという方法もあります。

まあこれはこれでありなんですが、
もうちょっと応用編をつかいましょう。

②、⑥のⅤをⅤのまま暗くするために、「ソ シ レ」の第三音を半音下げ、
「ソ シ♭ レ」というようにマイナーコードにしてみます。
この時は「Ⅴm」という表記になります。

ちょっとこのままだと色気が無いので、
「ソ シ♭ レ」に「ミ」を足して、マイナーシックスを使ってみます。
表記は「Ⅴm6」。
また、ベースが根音である「ソ」だとちょっと主張しすぎな感じがあるので、「シ♭」を当ててみます。

なかなかにCOOLじゃないです??

さて、最後にとりかかるのは⑧のⅤ。
ここは、ⅤをⅢに変えてみようと思いますが、
そのままではなく、ちょっと複雑な響きを使ってみます。

まずは、Ⅲをマイナーではなく、メジャーに変えましょう。
そして、終止感(=不安定感)を強めるため、セブンスコードを使います。

さらに、このセブンスコードを発展させ、もうひとつ音を加えてみます。
「ミ ソ# シ レ」に「ファ#」を加えたコードを「E9」(Eナインス)と呼びます。
または、「E7」に「ナインス(根音に対して9度上の音)」を加えるということで、「E7(9)」と表記します。
聞き比べてみましょう。

E7 「ミ ソ# シ レ」

E7(9)「ミ ソ# シ レ ファ#」

そしてさらに、この「ファ#」(ナインス)の音をいじっていきます。

「ファ#」を半音上げて「ソ」にしてみましょう。
ナインスを半音上げるという意味で、(#9)と表記します。

E7(#9)「ミ ソ# シ レ ソ」

逆に「ファ#」を半音下げて「ファ」にしてみましょう。
こちらはナインスを半音下げるという意味で、(♭9)と表記します。

E7(♭9)「ミ ソ# シ レ ファ」

ただのE7に比べて、E7(9)やE7(#9)、E7(♭9)の方が
緊張感がありますよね。
今回は、このE7(#9)とE7(♭9)を使ってみます。

ここでは、E7の第五音である「シ」の音を省略しています。
第22回のまとめでも触れたとおり、第五音は根音と完全5度の関係になり、
あくまで根音を支える役割しかないので、省略することができます。
むしろ、今回のように5和音となると、響きがきつくなってしまうため、
それを避ける意味で、あえて第五音を省いています。これも一つのテクニック!

これで、コード進行のカスタマイズが完了!
リズムをつけてそれっぽく弾いてみます。

かなりCOOLになりました!
最初と聞き比べるとだいぶ雰囲気が変わりましたね!

次回は、同じコード進行を基に、
少し切なく、優しい雰囲気へとカスタマイズしていきます!