第27回 和音(コード)について考えよう⑥

第27回 和音(コード)について考えよう⑥

今回は、マイナーコードを基本として出来上がる4和音について考えていきましょう!

① 基本形:マイナーコード

まずは、基本形のおさらい!
 根音 + 短3度上 + 完全5度上
の3音で構成されるのが、マイナーコードでしたね。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ♭ ソ」。コードネームは「Cm」。

② マイナーセブンスコード

基本形であるマイナーコードに、根音から短7度上の音を足すとできる和音です。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ♭ ソ」に「シ♭」を加えます。
コードネームは「Cm7」。
前回お話したとおり、「7」は「根音から短7度上の音を加える」ということを表します。
つまり、「Cm」+「7」というようにコードネームが付けられています。

この和音の特徴は、
 ・根音と第七音が、不協和音程となることで、独特の響きが作られる
 ・根音と第五音、第三音と第七音がそれぞれ完全5度の音程となるため、非常によく響きあう関係にある
 ・根音を取り除くと、メジャーコードとなるため、マイナーコードと比べて暗さが緩和される

私は前回紹介したメジャーセブンスコードと兄弟のような関係ととらえています。
今挙げた和音の特徴が2つの「共通点」であり、
そして根音を取り除いたときに、
 メジャーセブンス - 根音 = マイナー
 マイナーセブンス - 根音 = メジャー
という関係になるという点が、2つの「相違点」となるため、
似ているようで性格が正反対、のようなイメージで考えると良いと思います。

ではマイナーセブンスコードの響きを聞いてみましょう!

使い方も、兄弟であるメジャーセブンスコードと似ています。

・おしゃれ感を出す

ならば、こんな感じ。

・神秘的・ファンシーな表現

に使うなら、メジャーセブンスコードとの合わせ技がCOOL。

なお、前回も触れたとおり、

Cm7  ド   ミ♭  ソ   シ♭

E♭6  ミ♭  ソ   シ♭  ド

というように、音の配置を変えると「マイナーセブンス」と「シックス」は同じ音で構成されていることが分かります。
響きを聞いてみるとわかりますが、同じ音を鳴らしていても、どの音を最低音に持っていくかで響きが変わります。
これはベース(低音部)の話にもつながりますが、和音それ自体にも特徴があるのはもちろんのこと、
ベースにどの音をあてがうかで、また響きに色を加えることができるのです。
この2つのコードで言えば、

Cmは、
 最低音がド = ドを強く意識する = ドを根音とする和音に聞こえる = マイナーセブンス = 暗めの響きに聞こえる

E♭6は、
 最低音がミ♭ = ミ♭を強く意識する = ミ♭を根音とする和音に聞こえる = シックス = 明るめの響きに聞こえる

と感じる訳ですね。

③ マイナーシックスコード

基本形であるマイナーコードに、根音から長6度上の音を足すとできる和音です。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ♭ ソ」に「ラ」を加えます。
コードネームは「Cm6」。これも前回同様、「6」が「根音から長6度上の音を加える」ということを表しています。

この和音の特徴は、
 ・第五音と第六音が、不協和音程、特に隣り合う音となることで、独特の響きが作られる
 ・第三音と第六音が、増4度となるため、不安定な響きとなる
 ・第六音を根音よりも低くとると、マイナーセブンスコード(♭5)と同じ音型になる(詳しくは後ほどの回で!)

では響きを聞いてみましょう!

結構不穏な響きがしてしまうので、使い方としては
 ・コード進行の流れの中で使うとき
くらいしか普通は使いません。

たとえば、こんな進行。

この音源は、以下のようなコード進行となっています。

Cm → A♭ → Cm6 → Cm7

Cmは「ド ミ♭ ソ」
A♭は「ド ミ♭ ラ♭」(ここでは順番を入れ替えてドを最低音に置いています)
Cm6は「ド ミ♭ ソ ラ」
Cm7は「ド ミ♭ ソ シ♭」
というように、一番高い音が「ソ → ラ♭ → ラ → シ♭」と半音ずつ上がっています。
これも前回お話した「クリシェ」ですね。

もちろん、マイナーシックスの独特な響きをそのまま活かした例もあります。

パーシー・グレインジャーというオーストラリアの作曲家の作品、『リンカンシャーの花束』の終止音がマイナーシックスとなっています。

 

 

15:18のところ。「Dm6」が使われています。
初めて聴くと、どうしても「え、終わったの?」って感じがしますね。

④ マイナーメジャーセブンスコード

「名前が分かりづらいコードネーム」ランキングで1位のこのコード。
基本形であるマイナーコードに、根音から長7度上の音を足すとできる和音です。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ♭ ソ」に「シ」を加えます。
コードネームは「CmM7」。この表記も分かりづらい……
「M7」が「根音から長7度上の音を加える」ということを表しますので、
「Cm」+「M7」という風に分解して考えましょう。

この和音の特徴は、
 ・第一音と第七音が、不協和音程となることで、独特の響きが作られる
 ・根音を取り除いたコードが「オーギュメントコード」となるため、独特の怪しい響きがある

「オーギュメントコード」とは、根音に、第三音として根音から長3度上の音を足し、さらにその第三音から長3度上の音を足した和音です。
ドを根音とすると、「ド ミ ソ#」となり、「Caug」と表記します。後の回で詳しく説明します!

ではマイナーメジャーセブンスコードの響きを聞いてみましょう!

これもなかなかに不穏。。
そのためこのコードも
 ・コード進行の流れの中で使うとき
くらいでしか登場しません。

たとえば、こんな進行。

この音源は、以下のようなコード進行となっています。

Cm → CmM7 → Cm7 → Cm6

Cmは「ド ミ♭ ソ ド」(ここでは最高音として根音であるドを加えています)
CmM7は「ド ミ♭ ソ シ」
Cm7は「ド ミ♭ ソ シ♭」
Cm6は「ド ミ♭ ソ ラ」
というように、一番高い音が「ド → シ → シ♭ → ラ」と半音ずつ下がっていくクリシェの中に登場します。

他には、メジャーセブンスコードの第三音だけを半音下げて進行させることで、マイナーメジャーセブンスコードが使われることも多いです。

CM7   ド   ミ   ソ   シ

CmM7  ド   ミ♭  ソ   シ

単体で聴いたときと比べて、少し違った印象があったのではないでしょうか。
このコード進行は切なさを演出するのにピッタリです。
私が大好きなコード進行のひとつです。

マイナーメジャーセブンスコードの響きを活かした例としては、
ゲーム「星のカービィ」シリーズの中の「VSマルク」があります。

 

 

この曲はその響き以外にも色々な工夫が凝らされています。
今度アナライズをやってみるのも面白いかもしれません。

マイナーコードを基本とした主な4和音については以上です。
次回は、構成音を変化させてコードの響きをカスタマイズしていきます。