第26回 和音(コード)について考えよう⑤

第26回 和音(コード)について考えよう⑤

今回は、3和音に音を一つ加えて、4和音を考えてみます。

第22回で、

今後のOTO LABOにおける和音の考え方は
 ・基本は「メジャーコード」と「マイナーコード」
 ・それ以外の和音は、その亜種
 ・亜種の作り方は、
  ① 音を取り除いたり、追加することで色をつけていく
  ② 元となる構成音を変化させることで色を変えていく
  が基本
というものです。

ということを話しました。
今回は、メジャーコードを基本として、音を追加することで色をつけてみましょう。

① 基本形:メジャーコード

まずは、基本形のおさらいから。
 根音 + 長3度上 + 完全5度上
の3音で構成されるのが、メジャーコード
「ド」が根音の場合は、「ド ミ ソ」。コードネームは「C」。

② メジャーセブンスコード

基本形であるメジャーコードに、根音から長7度上の音を足すとできる和音です。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ ソ」に「シ」を加えます。
コードネームは「CM7」。「M7」が「根音から長7度上の音を加える」ということを表します。

この和音の特徴は、
 ・根音と第七音が、不協和音程となることで、独特の響きが作られる
 ・根音と第五音、第三音と第七音がそれぞれ完全5度の音程となるため、非常によく響きあう関係にある
 ・根音を取り除くと、マイナーコードとなるため、明るさの中にどことなく仄暗さが隠れているような響きになる

では響きを聞いてみましょう!

どこかふわっとした響きになりましたね。

使い方としては、

・神秘的・ファンシーな表現に使う

・おしゃれさをプラスするために使う

などが一般的かと思います。
私も大好きでついつい多用してしまいます。

③ セブンスコード

基本形であるメジャーコードに、根音から短7度上の音を足すとできる和音です。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ ソ」に「シ♭」を加えます。
コードネームは「C7」。「7」が「根音から短7度上の音を加える」ということを表します。

この和音の特徴は、
 ・第一音と第七音が、不協和音程となることで、独特の響きが作られる
 ・第三音と第七音が減5度となり、とても不安定な響きとなる

では響きを聞いてみましょう!

メジャーセブンスより少し不安定な響きです。

使い方としては、

・ジャジーな表現やブルース的な表現に使う

・ドミナントとして、よりトニックへの導きを強くするために使う

などが一般的。

特にドミナントとして使うことが多く、コード進行の上でもとっても重要なポイントがあります。

たとえばCメジャーで考えると、ドミナントは「ソ シ レ」の「G」。
そこに、根音から短7度の音を加えると、「ソ シ レ ファ」で「G7」。

ドミナントは元々、導音である第三音(シ)が主音(ド)へ。
そして、属音である根音(ソ)が主音(ド)へ向かおうとすることで、
トニックへ導こうとする性質が強いという特徴がありましたね。

セブンスにすると、さらに下属音である第七音(ファ)が加わりました。
下属音の性質であった、長音階の第Ⅲ音(ミ)に向かおうとする働きによって、
第三音に「ミ」が入っているトニックへ向かう力がより一層強まるのです!

先ほどの音源をもう一度聞いてみましょう。

鳴っている音を低い音から順に書くと、

  ベース          和音
Ⅰ  ド     ド   ミ   ソ   ド
   ↓     ↓   ↓   ↓   ↓
Ⅴ  ソ     レ    ファ   ソ   シ
   ↓     ↓   ↓   ↓   ↓
Ⅰ  ド     ド   ミ   ソ   ド

ベースは、Ⅴ→Ⅰにかけて、属音(ソ)から主音(ド)へ。
和音の1番高い音は、Ⅴ→Ⅰにかけて、導音(シ)から主音(ド)へ。
そして、和音の2番目に低い音は、Ⅴ→Ⅰにかけて、下属音(ファ)から第Ⅲ音(ミ)へ。
それぞれ進行しています。

このように、主音・属音・下属音がそれぞれの音へ向かおうとするため、
その力が結集し、より強くトニックへ向かう感じがする、というわけですね。

なお、セブンスコードから根音を取り除くと、「ディミニッシュコード」となります。
「ディミニッシュコード」は、メジャーコードの亜種であるセブンスコードのさらに亜種、という理解ができるんですね!

④ シックスコード

基本形であるメジャーコードに、根音から長6度上の音を足すとできる和音です。
「ド」が根音の場合は、「ド ミ ソ」に「ラ」を加えます。
コードネームは「C6」。「6」が「根音から長6度上の音を加える」ということを表します。

この和音の特徴は、
 ・第五音と第六音が、不協和音程、特に隣り合う音となることで、独特の響きが作られる
 ・第六音を根音よりも低くとると、マイナーセブンスコードと同じ音型になる(詳しくは次回!)

では響きを聞いてみましょう!

使い方としては、
 ・メジャーとマイナーの中間の響きを狙いたいとき
 ・コード進行の流れの中で使うとき

特に2つ目に挙げた、コード進行の流れの中で使うことがほとんどだと思います。
たとえば、こんな進行。

この音源は、以下のようなコード進行となっています。

C → Caug → C6 → C7

Cは「ド ミ ソ」
Caugは「ド ミ ソ#」(この和音については後の回で説明します!)
C6は「ド ミ ソ ラ」
C7は「ド ミ ソ シ♭」
というように、一番高い音が「ソ → ソ# → ラ → シ♭」と半音ずつ上がっています。
このように、コードの中の音を半音ずつずらして、コードの変化を作る技法のことを「クリシェ」と言います。

このように経過的に使われることが多く、あまり主役になれない、そんな少し不憫な和音です。

この和音の特徴を効果的に、かつ大胆にもメインで使っている例としては、
アーサー・ブリスというイギリスの作曲家の作品、『色彩交響曲』の第四楽章「緑」があります。
名前の通り、色をテーマにした交響曲で、第一楽章から「紫→赤→青→緑」という題名が付けられています。

 

 

この曲のラストの和音(31:45)がシックスコードです。「B6」が使われています。
明るいような、少し暗さも混じった独特な和音です。

この曲はとても面白い曲なので、是非通して聞いてみてください!

メジャーコードを基本とした主な4和音については以上です。
次回はマイナーコードを基本とした4和音の話をします!