第24回 和音(コード)について考えよう③

第24回 和音(コード)について考えよう③

前回のおさらい。
音階の各音を根音とし、その音階の中だけでできる3和音を作ります。
たとえばCメジャーの場合、

Ⅰ  ド  ミ  ソ  ⇒ C
Ⅱ  レ  ファ ラ  ⇒ Dm
Ⅲ  ミ  ソ  シ  ⇒ Em
Ⅳ  ファ ラ  ド  ⇒ F
Ⅴ  ソ  シ  レ  ⇒ G
Ⅵ  ラ  ド  ミ  ⇒ Am
Ⅶ  シ  レ  ファ ⇒ Bdim

の7つの和音ができます。
このような和音を「ダイアトニック・コード」と呼びます。

さて、この中で特に重要な役割を果たす和音が3つあります。
それは、

Ⅰ  ド  ミ  ソ  ⇒ C
Ⅳ  ファ ラ  ド  ⇒ F
Ⅴ  ソ  シ  レ  ⇒ G

の3つの和音。

・・・とここで理解しておかなければならないのが、
「C」「F」「G」の3つの和音自体が特別、というわけではなく、
「Cメジャーという調・音階の世界」の中で特別な意味がある、すなわち「相対的」な役割だ
ということ。

これが「E♭メジャー」であれば、

Ⅰ  ミ♭ ソ  シ♭ ⇒ E♭
Ⅳ  ラ♭ ド  ミ♭ ⇒ A♭
Ⅴ  シ♭ レ  ファ ⇒ B♭

という風になります。

そして、この3つの和音がどのような意味を持つか、
今回はそのことについてひも解いていきましょう。

① トニック(Ⅰ)

Cメジャーで言えば、「ド ミ ソ」

音階としての主音(第Ⅰ音)を根音として作られる和音です。
音階の中でも中心的な役割を持つ主音をベースとしているため、
「最も安定感のある和音」
と言えます。
別の言い方をすると、曲の最後に使うことで安定感を得られるため、
「最も終止感のある和音」
とも言えます。

② ドミナント(Ⅴ)

Cメジャーで言えば、「ソ シ レ」

音階としての第Ⅴ音を根音として作られる和音です。
この和音には音階の中でも特に重要な音が2つ使われています。

1つ目は「導音」。
Cメジャーで言えば第Ⅶ音である「シ」の音ですね。
主音の半音下の音、と考えてもOKです!
この音は、半音上の「主音」へ向かおうとする音でしたね。

そして2つ目は「属音」。
「属音」とは、音階の第Ⅴ音のこと。Cメジャーで言えば「ソ」の音。
この音も、「導音」ほどではないものの、「主音」へ向かおうとする要素のある音です。
特に、ベース(低音部)にある場合に、「主音」へ向かう力が強まります。

この2つの説明から、お察しかもしれませんが、
ドミナントは
「トニック(Ⅰ)へと向かおうとする要素の強い和音」
ということが言えます。
安定感・終止感のある和音へ向かおうとするわけですから、
ある意味「不安定」な和音であると言えると思います。

たとえば、お辞儀の時に鳴らすピアノの和音。

これは、Ⅰ → Ⅴ → Ⅰ
と鳴らしています。
どうですか? ⅤからⅠに行くとき、安定感・終止感がありませんか?

これが、トニックとドミナントの役割。

③ サブドミナント(Ⅳ)

Cメジャーで言えば、「ファ ラ ド」

音階としての第Ⅳ音を根音として作られる和音です。
この和音にも音階の中の重要な音が2つ使われています。

1つ目は「主音」。

2つ目は「下属音」。
「下属音」とは、音階の第Ⅳ音のこと。Cメジャーで言えば「ファ」の音。
この音は、わずかながら「主音」へ向かおうとする要素のある音です。
正直、本当に「わずかながら」です。
導音や属音と比べると強く導く感じがないため、「優しく導く」イメージがあります。

そして、この「下属音」には、もう1つ大事な性質があります。
それは、「第Ⅲ音へ向かおうとする要素がある」ということ。
どういう意味か、和音で説明しましょう。

これは、Ⅰ → Ⅳ → Ⅰ
と鳴らしています。
ベース以外の音を表記すると、

Ⅰ  ミ  ソ ド
↓  ↓  ↓
Ⅳ  ファ ラ ド
↓  ↓  ↓
Ⅰ  ミ  ソ ド

と鳴らしており、左端に表記した音が「ミ → ファ → ミ」と動いています。
この「ファ」が「下属音」、そして向かう先である「ミ」が「第Ⅲ音」です。
つまり、下属音は、トニックの第3音である「ミ」の音に向かうことで、終止感を得ています。
ただ、音階の主役である主音を導くわけではありませんので、
そこまで強く導くイメージはありませんが。

つまり、サブドミナントは
「トニック(Ⅰ)へと向かおうとする要素を持つ和音」
ということが言えます。

そして、サブドミナントには「主音」が含まれています。
先ほど鳴らした音源のとおり、

Ⅰ  ミ  ソ ド
↓  ↓  ↓
Ⅳ  ファ ラ ド
↓  ↓  ↓
Ⅰ  ミ  ソ ド

というように、常に主音である「ド」が鳴ることになるため、
ドミナントほど不安定な感じもないのです。
つまり、サブドミナントは
「トニック(Ⅰ)へと向かおうとする要素を持つ和音」
であるが、
「ドミナント(Ⅴ)ほど強い進行感がない」
ということが言えます。

そのため、Ⅰ → Ⅳ → Ⅴ → Ⅰ
というように、間にドミナント(Ⅴ)を挟むことで、不安定さを出して、
終止感を強めるということも行われます。

鳴らすとこんな感じ。

今回は、ダイアトニック・コードの中でも
重要な役割のある3つの和音をおさえました。
次回は、ダイアトニック・コードの中の他の和音についてひも解きます!