【作曲アイデア5】転調パターンの幅を広げよう!

【作曲アイデア5】転調パターンの幅を広げよう!

おばんです。pulocoです。
前回は元のキーに対して「親近感」のある、属調・下属調・同主調・平行調の4つのキー(「関係調」や「近親調」と呼びます)について説明しました。
今回は「転調パターンの幅を広げよう!」というテーマで、これらのキー以外への転調についてまとめていきたいと思います!

本題に入る前に、「転調」といえば……ということで、先日UPした新作の宣伝を少々。

相方のOHJIが作曲した楽曲です。
彼らしいジャジーでダンサブルなナンバー。
タイトルに「Key」とあるように、曲中で何度も転調を繰り返していきます。
何回転調したかぜひ数えてみてくださいね(高難度)。

 

前回までのおさらい&発展

さて、まずは前回までの作曲アイデアの記事に書いたことのおさらいです。
元のキーに対しての「関係調」(属調・下属調・同主調・平行調)というのは、音階としての共通音が多く、転調した時に「自然」な感じがするキーのことでした。

それに対して、ポップスでよく使われる大サビでの半音or全音転調は、このような「自然」な転調とは異なり、強引(=不自然)な転調をすることで、大サビでの盛り上がりをわかりやすく伝えることができます。

 

「自然/不自然」という対極にあるこの2つの転調ですが、実は共通点があります

それは「転調のさせやすさ」。

 

前者の関係調への転調は、
 ① 元のキーの音階との共通音が多い。
 ② トニック・コードが、元のキーのダイアトニック・コードの中に存在する。(同主調を除く)
という2つの特徴から、転調するのが比較的ラクなのです。

対して後者は、ふつうであれば転調しにくいキーのはずなのですが、「強引」な転調であることがある種のポイントになっているため、転調させたいキーのドミナントを急に鳴らしたり、さらには何の予告もなく転調したりすることで、「強引にグワァアっと盛り上げる」効果を出すことができます。
テクニカルである必要がないので、ある意味転調がラク、ということなんですね。

この「転調のさせやすさ」が定番の転調である理由なんです。

 

キーの”親戚関係”を考える!

さて、ここからは本題。
関係調(属調・下属調・同主調・平行調)以外のキーへの転調についてです。

 

ポイントは、関係調のさらに関係調を考えること!

たとえば、元のキーの属調から、さらに平行調を考えると
C major → G major → E minor

元のキーの下属調から、さらに同主調を考えると
C major → F major → F minor

さらに、3つ以上組み合わせることもできます。
元のキーの平行調から、同主調、さらに平行調を考えてみると
C major → A minor → A major → F# minor

親戚関係で例えるなら、属調・下属調・同主調・平行調が1親等、そこからさらに2親等、3親等、4親等どんどん遠くなっていくイメージです。
まとめるとこんな感じ。

4親等までですべてのキーを作ることができますので、一番疎遠なキーは4親等のキーということになります。

 

転調の具体例

では、具体的な転調までの流れ(コード進行)を少しご紹介していきます!

短3度上への転調(例:C major → E♭ major)

関係調以外への転調の中でも人気の転調です。

      C  Fm B♭7 E♭
 C maj.  Ⅰ  Ⅳm
 E♭maj.     Ⅱ   V7   Ⅰ

C majorのサブドミナントをマイナーに変えたものを、E♭majorのⅡの和音とみなし、Ⅱ→Ⅴ→Ⅰと転調させています。

 

      C  F  G7  A♭M7
C maj.  Ⅰ Ⅳ Ⅴ7
E♭maj.      Ⅲ7  Ⅳ

C majorのドミナントを平行調であるC minorのドミナントとみなし、トニックへ行くと見せかけてE♭majorのサブドミナントへ

 

短3度下への転調(例:C major → A major)

短3度下のキーは、元のmajorキーにとってminorキーである平行調の同主調にあたります。
本来minorになるはずが同じ主音のmajorとなるため、独特の「明るく広がる感覚」があります

     FM7 G  A
C maj.     Ⅳ    Ⅴ  ⅥM
A maj.    Ⅵ♭   Ⅶ♭    Ⅰ

C majorのⅣ→Ⅴのあとにさらに和音を全音上げて転調させています。
Ⅳ→Ⅴと来たらⅠに行くだろうという期待を裏切る転調です。

じんわり感を出したいときは
 FM7 G Asus4 A
という感じで、sus4を挟むと効果的

なお、理論的には、
 FM7 G E7 A
というようにA majorのドミナントであるE7を入れるのが基本ですが、この転調に特徴的な「広がり感」が薄れてしまうので、個人的には野暮なように思っています

 

また、元のキーの平行調におけるドミナントからの転調もやりやすいですね。

    FM7 E7 DM7
C maj.   Ⅳ   Ⅲ7
A maj.       Ⅴ7  Ⅳ

 

今後記事として既存曲のコード進行分析も行うつもりです。
一緒にケーススタディをしていきましょう!