【作曲アイデア2】「転調」の目的って何だ??

【作曲アイデア2】「転調」の目的って何だ??

おばんです。

【作曲アイデア1】では「下降転調」についてを記事にしました。
また、前回までの星のカービィのアナライズシリーズでも、度々転調の話に触れてきました。
このように最近やたらと「転調」の話が多めだったので、

 そもそも「転調」って何ですんのよ??

ということについて考えてみたいなあって思います。

というか、何を隠そう私が “転調大好きっ子” ですので、今後も転調についての記事は多くなることかと思います(笑)

 

 

さて、そもそも「転調」というのは、曲の調(キー)が途中で変わること。
最初から曲全体の調(キー)を変えるのは「移調」と言います。

「調」について詳しく知りたいという方は、以前記事にした音楽理論の解説回がありますので、そちらを読んでくださいね。

調(キー)について考えよう

 

それで、です。
なぜ調を変える必要があるのか??

答えは簡単で、曲の雰囲気をガラリと変えたいから

 

曲の雰囲気は、メロディー、ハーモニー、リズムといった音楽の3要素と呼ばれるものはもちろん、テンポや音の強弱、音色などにも左右されます。
これらの要素はある意味でわかりやすく曲の雰囲気を変えることのできるものです。

ノリノリの曲であれば、テンポが速めで、リズムも細かく、ロックであればエレキギターをジャカジャカ鳴らし、エレクトロであればコテコテのシンセを鳴らす。
逆にバラード曲であれば、テンポは遅め、リズムもゆったり、アコースティックギター、ピアノ、ストリングスでしっとり聞かせる。

みたいなことですからね。

 

普通の人はあんまり注目しない、曲の雰囲気を決めるもう一つの要素。
それが「調」なんですね。

「調」にはそれぞれ独特の色味みたいなものがあって、古くから

E♭majorは荘重、英雄的なイメージ。
B♭minorは憂鬱、その中に希望のあるイメージ。

などと、それぞれの作曲家が調への何かしらのイメージを持っていたようです。

その「調」が曲の途中で変化するというのは、「イメージとしての色彩が変わる」
––つまり、はっきりはしていないんだけど、「内面的な、そこはかとない変化がある」という感覚になるわけですね。

 

このような「転調」の魅力を最大限に生かしているのが、クラシック音楽で使われている代表的な曲構成「ソナタ形式」です。

ソナタ形式は、大きく3つのブロックに分かれます

① 提示部
② 展開部
③ 再現部

提示部の前に序奏(イントロ)、再現部の後に終奏(コーダ)がつけ加わる場合もあります。

 

① 提示部は、文字通り曲のテーマを”提示”する部分
そのテーマは普通2つ必要で、それぞれ性格が異なっていること、そして、2つ目のテーマでは「転調」することが原則。

つまり、「これが1つ目のテーマね。」 「で、これが2つ目のテーマ。どう? 違いがわかるでしょ??」っていう仕掛けをするわけですね。
転調してなくても2つのテーマの違いをつけられると言えばつけられますが、調が違うことでよりその違いが際立つんですね!

そして大事なテーマですから、聴いている人に覚えてもらうために提示部は2回繰り返します。
古典派の場合ただでさえ長いテーマをそっくりそのまま繰り返したりするので、それがクラシック音楽が嫌われる理由の1つにもなっちゃいますね……。

 

そしてその後が② 展開部。こちらも文字通り、曲をドラマティックに”展開”させていく部分
ここで、最初に提示した2つのテーマをこねくり回していくわけですが、何よりも重要な要素が「怒濤の転調」をすること。
次から次へと調を変えることで、曲を色とりどりにしていきます
そしてうまーーく最初のテーマに戻してあげるのです。
ここが作曲家の腕の見せ所!!

 

そしてテーマが戻って来る③ 再現部。こちらも文字通り”再現”。
① 提示部と同様に1つ目のテーマから奏でていくのですが、ここで重要なのが2つ目のテーマを「最後は転調させない」こと。
最後に曲のそもそもの調を貫きとおすことで、「もうおしまいだよー!」ということを匂わせるんです。

 

このように、ソナタ形式というのは「様式美」を詰め込んだ素晴らしい曲構成なんですね。
現代のポップスでは使われることのない形式ですが、温故知新という言葉のとおり、学ぶべきことはたくさんあるように感じますね。

 

さて今回は、ソナタ形式にも使われているように、「転調」には「曲の雰囲気をそこはかとなく変える」という目的がある、というお話をしてきました。
ただし、現代のポップスにおいては、全然そこはかとなくない「ド派手な転調」をするパターンの方が多いです。
次回はいろいろな転調のパターンを整理してみたいと思います。